数字で見る腟の長さ
この測定は40歳以上で、診療を受けている人を対象にしています。若い人や、出産の経験の有無で分けた平均値は、確かめられた資料がありませんでした。骨盤の手術や子宮の摘出を受けた人は短い傾向で、骨盤再建手術を受けた人は平均7.8cm、受けていない人は9.2cmでした。
壁のつくりとひだ
腟の壁は、内側から次の4つの層でできています。
| 層 | 特徴 |
|---|---|
| 1 内側 | 重層扁平上皮(粘膜の表面) |
| 2 | 薄い弾性線維の層 |
| 3 | よく発達した線維筋層 |
| 4 外側 | 線維性の被膜 |
生殖可能な年齢の腟にはひだ(rugae)があり、アコーディオンのように伸びる助けになっています。思春期の前と閉経後は、壁がなめらかになります。腟の壁は、性行為・出産・内診のときに伸びます。壁の中の固有層には腺がなく、うるおいは表面の細胞と子宮頸部の腺の分泌から来ます。くわしくは腟が潤うしくみで説明しています。
前の壁と後ろの壁で長さが違う
臨床解剖の資料では、後ろの壁の長さが約10cmです。前の壁は、頸部が前の壁に入り込むために短く、前の壁と頸部を合わせた長さが後ろの壁の長さになります。腟の奥に出ている頸部は子宮頸部のつくりのページで説明しています。
奥行きと痛みの関係は?
40歳以上を測った研究は、腟の大きさは性的な活動や機能に影響しなかったと結論しています。「奥行きが浅い、または深いと痛みが出る」と書いた資料は、今回確かめた範囲では見つかりませんでした。
確かめられたのは、閉経後にエストロゲンが減ると腟の伸縮性が下がり、痛みが出ることがある、という点です。変化の詳細は更年期以降の腟と外陰部の変化をご覧ください。「興奮すると腟が何cm長くなる」という数字は、本文で確かめられた資料がなく、書いていません。
よくある質問
腟の長さは人によって違いますか?
違います。測った研究では5〜13cmと幅があり、骨盤の手術を受けた人は短い傾向でした。
腟は伸びますか?
はい。壁にひだがあり、性行為・出産・内診のときに伸びます。閉経後はエストロゲンが減って伸縮性が下がります。
出典
- MSDマニュアル家庭版「女性の内性器」
- MSD Manual Consumer Version「Female Internal Genital Organs」 (英語)
- GLOWM「Clinical Anatomy of the Vulva, Vagina, Lower Pelvis and Perineum」 (英語)
- 腟の長さを測定した研究(40歳以上505人) (英語)
この解説は、下に挙げた公的機関・学会・医学情報サイトの記述を読み、書かれている範囲で編集部がまとめたものです。診断や治療の代わりにはなりません。気になる症状があるときは、医療機関で相談してください。