上から順に見た並び方
頸部は、子宮の中と腟をつなぐ短い通り道です。上から次の順に並んでいます。
- 内子宮口:子宮の体部との境目にある狭い部分
- 頸管:頸部の中を通る狭い管。粘液を出す細胞と腺がある
- 子宮腟部:頸部の外側にふくらみ、腟の上端に少し突き出た部分。診察で目に見えるのはここ
- 外子宮口:子宮腟部の中央にある小さな開口。いわゆる「子宮口」
日本語の資料では「子宮口」と「子宮腟部」が混ざって使われますが、子宮口は穴そのもの、子宮腟部はそのまわりを含む外側のふくらみ、と分けて読むと混乱しません。国立がん研究センターは、頸部を月経血の通り道であり、出産のときは産道になる部分と説明しています。
頸管の中では何が起きているか
頸管の狭い部分には、粘液を出す細胞と腺があります。排卵の前の粘液は濃く、精子を通しにくい状態です。排卵のころにエストロゲンが増えると、粘液は透明でよく伸びるようになります。この変化はおりものが周期で変わるしくみのページで詳しく説明しています。
頸管はふだんは狭く、分娩のときに広がって胎児が通ります。妊娠中は粘液の栓が入り口をふさぎ、出産の前にとけると英語資料は説明しています。
長さや形は何で変わるか
| 項目 | 資料に書かれていること |
|---|---|
| 長さ | 通常およそ2.5cm(1インチ)で、年齢や出産歴で変わる。妊娠初期から中期は長くなり、後期に短くなる(Cleveland Clinic・英語) |
| 子宮体部との比 | 生殖可能な年齢では、子宮体部の長さが頸部の約2倍。閉経後は両者がほぼ同じ長さになる(MSDマニュアル家庭版) |
| 触れた感じ | 診察では、硬く締まって触れることも、やわらかく触れることもある(英語資料の記述。1つの資料なので目安) |
子宮は靱帯で一定の位置に固定されています。位置や傾きの個人差は子宮の位置と傾きで、隣り合う臓器との関係は骨盤の中の臓器の並び方で説明しています。
細胞の入れ替わる場所(移行帯)
頸管の内側は腺の細胞、頸部の外側は平らな扁平(へんぺい)な細胞でおおわれています。この2種類の細胞が出会う場所を移行帯(いこうたい)と呼びます。細胞の変化が起こりやすい場所なので、子宮頸がん検診ではここを中心に診ます。
移行帯の位置は年齢で動きます。8,758人を調べた研究では、25歳未満の94%で移行帯が頸部の外側(腟側)にあり、64歳を過ぎると2%未満になりました。検診の流れは子宮頸がん検診で調べていることをご覧ください。
確かめられなかったこと
「頸部は月経周期で高く、または低く動く」という説明を見かけますが、今回確かめた公的な資料に数字や根拠を示すものがなかったため、ここでは書いていません。外子宮口の大きさ(直径)の数字も、確かめられた資料がありませんでした。
月経以外の出血や閉経後の出血、不規則な月経があるときは、検診を待たずに受診してください(国立がん研究センター)。
よくある質問
子宮頸部とポルチオは同じですか?
重なりますが同じではありません。子宮頸部は子宮の下の細い部分全体で、ポルチオと呼ばれるのはそのうち腟の奥に出ている外側のふくらみ(子宮腟部)です。
子宮頸部の長さはどのくらいですか?
通常およそ2.5cmが目安とされます。年齢、出産歴、妊娠の時期で変わり、個人差があります。
出典
- MSDマニュアル家庭版「女性の内性器」
- 国立がん研究センター がん情報サービス「子宮頸がん」
- Cleveland Clinic「Cervix」 (英語)
- Autier ほか, Br J Cancer 1996(移行帯の位置と年齢) (英語)
- 国立がん研究センター「子宮頸がん検診について」
この解説は、下に挙げた公的機関・学会・医学情報サイトの記述を読み、書かれている範囲で編集部がまとめたものです。診断や治療の代わりにはなりません。気になる症状があるときは、医療機関で相談してください。