並びとすき間
子宮は骨盤の中央にあり、前に膀胱、後ろに直腸があります(MSDマニュアル)。腟と膀胱の間には「膀胱腟間のすき間」、腟と直腸の間には「直腸腟間のすき間」があり、後者は上のほうで、直腸の前にできた袋小路(ダグラス窩)の底まで続くと臨床解剖の資料は説明しています。尿道の外側の膜と腟の外側の膜は、下のほうでくっついています。
支えているもの
子宮は、骨盤の底の筋肉(骨盤底)、会陰体、靱帯で支えられています。この支えが弱ると、隣の臓器が腟のほうへ押し出されることがあります。筋肉の構成と弱る原因は骨盤底筋のしくみで説明しています。
隣り合うと何が起きるか
| きっかけ | 押される・動く臓器 | 資料にある症状 |
|---|---|---|
| 大きな子宮筋腫 | 膀胱 | 頻尿・尿意切迫(NHSは尿もれにもつながると記載) |
| 大きな子宮筋腫 | 直腸 | 不快感、便秘 |
| 膀胱筋膜の弱り(膀胱瘤) | 膀胱が腟の前の壁へ | 腟の前の壁が下がる |
| 肛門挙筋の損傷(直腸瘤) | 直腸が腟の後ろの壁へ | 腟の後ろの壁が下がる |
東京の女性145人の研究では、機能性の便秘がある人に、中等度以上の過活動膀胱が多く見られました(33.3%と10.6%)。著者は、直腸や大腸の張りが膀胱の広がりを妨げる可能性を述べています。これは「関連がある」という結論までで、便秘が原因と決められる数字ではありません。
確かめられなかったこと
「おなかが張ると尿意や便意を感じやすくなる」と、一般のおなかの張りについて直接書いた公的ページは、今回確かめた範囲では見つかりませんでした。上の例は筋腫や便秘といった、はっきりした病気や状態の資料です。
頻尿や便秘が続く、下腹部の違和感が続くときは、婦人科などで相談してください。傾きの違いは子宮の位置と傾きで説明しています。
よくある質問
子宮の前と後ろには何がありますか?
前に膀胱、後ろに直腸があります。
子宮筋腫が大きいと頻尿になるのはなぜですか?
大きくなった筋腫が隣の膀胱を押すためと、MSDマニュアルとNHSが説明しています。
出典
- MSDマニュアル家庭版「女性の内性器」
- GLOWM「Clinical Anatomy of the Vulva, Vagina, Lower Pelvis and Perineum」 (英語)
- MSDマニュアル プロフェッショナル版「腟前壁脱および腟後壁脱」
- MSDマニュアル家庭版「子宮筋腫」
- NHS「Fibroids」 (英語)
- 便秘と過活動膀胱の研究(Biomed Res Int 2017) (英語)
この解説は、下に挙げた公的機関・学会・医学情報サイトの記述を読み、書かれている範囲で編集部がまとめたものです。診断や治療の代わりにはなりません。気になる症状があるときは、医療機関で相談してください。