周期とホルモン|閉経後の変化

更年期以降の腟と外陰部の変化|乾燥・痛みとGSM

閉経でエストロゲンが減ると、腟と外陰部の組織が薄く乾きやすくなり、腟のpHが上がります。こうした変化と尿の症状をまとめて「閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM)」と呼びます。

何が変わるか
組織が薄く乾く、伸縮性が下がる、pHが上がる
頻度
欧米の大規模調査で、閉経後の45〜63%が外陰腟の症状を報告
最も多い症状
腟の乾燥
相談先
産婦人科。更年期の症状の相談先は基本的に産婦人科

更新日:2026年10月31日|poruchio.jp編集部

何が変わるか

閉経前閉経後に起こりうる変化
組織ひだがあり、しっとり薄く乾燥して見える。ひだが消える、組織がもろくなる
伸縮性よく伸びる下がる。腟が短く狭くなりやすい
pH酸性(4前後)上がる。GSMを支持する所見の例として、pH5超が挙がる(英語の総説)
血流刺激で血流が増える刺激に対する血流が減る
おりもの周期で変わる多くの場合、量が減る

変化の背景にはエストロゲンの低下があります。GSMという用語は、2014年に承認された比較的新しい言葉で、「外陰腟萎縮」「萎縮性腟炎」に代わるものです。性器の症状、性に関する症状、尿の症状を含みます。腟の酸性が保たれるしくみは腟の自浄作用で、潤いの面は腟が潤うしくみで説明しています。

どのくらいの人に起こるか

欧米の大規模調査45〜63%閉経後の女性が外陰腟の症状を報告
韓国の研究49%調査や国によって幅がある数字

最も多い症状は腟の乾燥です。MSDマニュアルも、閉経期の女性の約半数にGSMが起こるとしています。日本の学会が示す頻度の数字は、今回確かめた範囲では見つかりませんでした。

対処の選択肢

英語の総説では、ホルモンを使わない潤滑剤と、長く効く腟用保湿剤が、外陰腟の症状の第一選択とされています。ヒアルロン酸系の保湿剤が、局所の腟エストロゲンと同程度に症状を和らげた研究が2件あります。

MSDマニュアルは、局所のエストロゲン療法(クリーム、錠剤、リング)が、全身のホルモン療法より効果的で有害作用のリスクも低く、通常はこちらが好まれると説明しています。低用量の腟エストロゲンでは、血中のエストラジオールは閉経後の正常範囲にとどまります。原因不明の性器出血がある人には使えず、エストロゲンの影響を受ける腫瘍がある人については議論があります。ほてりなども強いときは全身療法が検討されます。

どの方法が合うかは、年齢、持病、がんの既往で変わります。自分で決めず、産婦人科で相談してください。日本の学会の一般向けページは確かめられなかったため、日本語の公的資料は限られています。

更年期はどのくらい続くか

日本産科婦人科学会によると、更年期は閉経の前後5年ずつ、合わせて10年間です。日本人の閉経の平均は50歳前後で、40代前半から50代後半まで個人差があります。閉経は月経が1年以上ないことを確認して診断します。NHSは、腟の乾燥・灼熱感・かゆみなどの症状が通常7〜9年、さらに長く続くこともあるとしています(英語)。

受診の目安

  • 腟の乾燥が数週間のセルフケアで良くならない
  • 日常生活に支障がある
  • 普段と違うおりものがある
  • 性行為のあと、月経と月経の間、または閉経後に出血があった(最後の月経から12か月以上たってからの出血は、受診してください)
  • 性行為のときの痛みが続く。痛みの分け方は性行為のときの痛みは場所で原因が分かれるをご覧ください

よくある質問

GSMとは何ですか?

閉経に伴う、外陰・腟・下部尿路の変化による症状と所見をまとめた用語です。腟の乾燥や痛み、尿の症状などを含みます。

腟の乾燥には何を使えばよいですか?

水性の潤滑剤や腟用保湿剤が、まず挙げられます。局所のエストロゲンなどは医師の判断が必要です。

出典

この解説は、下に挙げた公的機関・学会・医学情報サイトの記述を読み、書かれている範囲で編集部がまとめたものです。診断や治療の代わりにはなりません。気になる症状があるときは、医療機関で相談してください。