痛みが起こる流れ
- 月経中に、子宮の中でプロスタグランジンが増える
- 子宮が収縮し、子宮への血流が減る
- プロスタグランジンは、子宮内の神経の痛みへの感受性も高める
- 不安やストレスがあると、痛みが強まることがある
日常生活に支障が出るほど強い症状を「月経困難症」と呼びます。痛みは主観的で、他人と比べにくいものです。腹部や腰の強い痛みのほか、吐き気、嘔吐、下痢、頭痛が出ることもあります。痛みの伝わり方は内臓痛と関連痛で説明しています。
2つの種類
機能性(一次性)特定できる原因の病気がない。青年期に始まることが多く、年齢や出産のあとに軽くなることがある。こちらのほうが多い
器質性(二次性)子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜症などが原因。通常は成人してから。最も一般的な原因は子宮内膜症
日本産科婦人科学会によると、月経痛は子宮内膜症の患者の9割にみられます。発症は20〜30歳代に多く、ピークは30〜40歳です。
数字の読み方に注意
月経痛の数字は、資料で定義と対象が違うため、混ぜて読めません。
| 資料 | 数字 | 意味 |
|---|---|---|
| ヘルスケアラボ | 7割 | 生理のある女性に、軽い月経痛がみられるとの報告 |
| MSD家庭版 | 30%以上 | 月経困難症の女性のうち、日常生活に支障が出るほどの痛みの人 |
| MSD専門版 | 約5〜15% | 機能性の月経困難症で、学校や仕事を休むほど重い人 |
対処の選択肢(公的資料に書かれている範囲)
- 鎮痛薬:MSDマニュアルはNSAIDs(イブプロフェンなど)を挙げています。使い始める時期や量は、添付文書、医師、薬剤師の説明に従ってください。NHSはパラセタモールかイブプロフェンを挙げ、痛みは通常最長3日としています(英語)
- ホルモン療法:鎮痛薬で効果がないとき、低用量ピルなどが勧められることがあり、排卵を抑えて痛みを和らげます
- 生活面:腹部を温める、マッサージ、十分な睡眠、定期的な運動(MSDマニュアル)
- 器質性の場合:原因の病気の治療。薬物療法のほか、手術が検討されることもあります
「ピルを飲めば必ず治る」「内膜症を予防できる」といった言い方は、確かめられた資料がなく、書いていません。
受診の目安
| 急ぎ度 | MSDマニュアルの目安 |
|---|---|
| 当日受診 | 急に始まった強い痛み、ずっと続く痛み、発熱、膿のようなおりもの、軽く触れただけで悪化する鋭い痛み |
| 数日以内 | 普段より強い、または長く続く痛み |
NHSは、月経痛が年々強くなる、量が増える、不規則になる、日常生活を妨げるとき、性行為のときや排尿・排便のときの痛み、月経と月経の間の出血がある場合も受診するよう書いています。周期全体は月経周期のしくみをご覧ください。
よくある質問
月経痛は我慢したほうがよいですか?
日常生活に支障が出るほど強いときは、我慢せず婦人科に相談してください。治療の選択肢があります。
月経痛が年々ひどくなるのは普通ですか?
NHSは、年々強くなるときは受診するよう書いています。子宮内膜症などの病気が関係していることがあります。
出典
- MSDマニュアル家庭版「月経痛」
- 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ「月経困難症」
- MSDマニュアル プロフェッショナル版「月経困難症」
- 日本産科婦人科学会「子宮内膜症」
- NHS「Period pain」 (英語)
この解説は、下に挙げた公的機関・学会・医学情報サイトの記述を読み、書かれている範囲で編集部がまとめたものです。診断や治療の代わりにはなりません。気になる症状があるときは、医療機関で相談してください。