痛みと神経|月経痛

月経痛のしくみ|子宮の収縮とプロスタグランジン

月経中にはプロスタグランジンという物質が増えて子宮を収縮させ、子宮への血流が減ります。この収縮が、月経痛の主な原因と説明されています。

しくみ
プロスタグランジンが子宮を収縮させ、血流を減らし、痛みへの感受性も高める
2種類
病気が原因でない機能性と、病気が原因の器質性
器質性の例
子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症
受診
日常生活に支障が出る、年々ひどくなる

更新日:2026年10月31日|poruchio.jp編集部

痛みが起こる流れ

  1. 月経中に、子宮の中でプロスタグランジンが増える
  2. 子宮が収縮し、子宮への血流が減る
  3. プロスタグランジンは、子宮内の神経の痛みへの感受性も高める
  4. 不安やストレスがあると、痛みが強まることがある

日常生活に支障が出るほど強い症状を「月経困難症」と呼びます。痛みは主観的で、他人と比べにくいものです。腹部や腰の強い痛みのほか、吐き気、嘔吐、下痢、頭痛が出ることもあります。痛みの伝わり方は内臓痛と関連痛で説明しています。

2つの種類

機能性(一次性)特定できる原因の病気がない。青年期に始まることが多く、年齢や出産のあとに軽くなることがある。こちらのほうが多い
器質性(二次性)子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜症などが原因。通常は成人してから。最も一般的な原因は子宮内膜症

日本産科婦人科学会によると、月経痛は子宮内膜症の患者の9割にみられます。発症は20〜30歳代に多く、ピークは30〜40歳です。

数字の読み方に注意

月経痛の数字は、資料で定義と対象が違うため、混ぜて読めません。

資料数字意味
ヘルスケアラボ7割生理のある女性に、軽い月経痛がみられるとの報告
MSD家庭版30%以上月経困難症の女性のうち、日常生活に支障が出るほどの痛みの人
MSD専門版約5〜15%機能性の月経困難症で、学校や仕事を休むほど重い人

対処の選択肢(公的資料に書かれている範囲)

  • 鎮痛薬:MSDマニュアルはNSAIDs(イブプロフェンなど)を挙げています。使い始める時期や量は、添付文書、医師、薬剤師の説明に従ってください。NHSはパラセタモールかイブプロフェンを挙げ、痛みは通常最長3日としています(英語)
  • ホルモン療法:鎮痛薬で効果がないとき、低用量ピルなどが勧められることがあり、排卵を抑えて痛みを和らげます
  • 生活面:腹部を温める、マッサージ、十分な睡眠、定期的な運動(MSDマニュアル)
  • 器質性の場合:原因の病気の治療。薬物療法のほか、手術が検討されることもあります

「ピルを飲めば必ず治る」「内膜症を予防できる」といった言い方は、確かめられた資料がなく、書いていません。

受診の目安

急ぎ度MSDマニュアルの目安
当日受診急に始まった強い痛み、ずっと続く痛み、発熱、膿のようなおりもの、軽く触れただけで悪化する鋭い痛み
数日以内普段より強い、または長く続く痛み

NHSは、月経痛が年々強くなる、量が増える、不規則になる、日常生活を妨げるとき、性行為のときや排尿・排便のときの痛み、月経と月経の間の出血がある場合も受診するよう書いています。周期全体は月経周期のしくみをご覧ください。

よくある質問

月経痛は我慢したほうがよいですか?

日常生活に支障が出るほど強いときは、我慢せず婦人科に相談してください。治療の選択肢があります。

月経痛が年々ひどくなるのは普通ですか?

NHSは、年々強くなるときは受診するよう書いています。子宮内膜症などの病気が関係していることがあります。

出典

この解説は、下に挙げた公的機関・学会・医学情報サイトの記述を読み、書かれている範囲で編集部がまとめたものです。診断や治療の代わりにはなりません。気になる症状があるときは、医療機関で相談してください。