検診と産後|産後の回復

産後の骨盤底と回復の目安|子宮・会陰・筋力

産後、子宮は4〜6週間かけて妊娠前の大きさに戻ります。一方、骨盤底の筋力は、経腟分娩のあと12か月たっても妊娠中の水準に完全には戻らなかったという報告もあります。

子宮
4〜6週間で妊娠前の大きさに戻る(MSD専門版)
会陰の治り
裂傷や切開の完全な治癒に約6週間
悪露
最長6週間ほど。血の色から薄茶、黄白色へ
体操
経腟分娩のあと、肛門括約筋の損傷がなければ数日以内に始められることが多い

更新日:2026年10月31日|poruchio.jp編集部

時期ごとの目安

時期起きること(MSDマニュアル)
数日以内経腟分娩のあと、肛門括約筋の損傷がなければ、骨盤底筋体操(ケーゲル体操)を始められることが多い
1〜2週間腟とまわりの腫れが消える
約4〜6週間子宮が妊娠前の大きさに戻る
約6週間裂傷や会陰切開の傷が完全に治る。悪露は最長このころまで。タンポンは分娩後6週間は使わない
帝王切開の場合傷が治るまで(通常約6週間)運動を始めず、重い物を持つのも約6週間避ける

産後健診は、出産後6〜8週間ごろに行われます(NHS・英語)。骨盤底の支えのしくみは骨盤底筋のしくみで説明しています。

骨盤底の筋力はどこまで戻るか

ノルウェーの研究(235人を解析)では、通常の経腟分娩のあと12か月の時点でも、骨盤底筋の力は妊娠中の水準に完全には戻りませんでした。筋力は妊娠中より約7%低く、腟の安静時の圧は約20%低いままでした。器械分娩と、肛門挙筋の大きな裂傷は、回復がより悪い要因でした。帝王切開の群では筋力が上がっていました。数字は概数で、要旨と本文で少し違います。

MSD専門版は、骨盤底筋体操が効くかどうかは「不明」としつつ、準備ができ次第始めてよいとしています。傷のあとの慢性的な会陰の痛みや、性行為のときの痛みには、第一選択に挙げています。「何か月で元に戻る」と言い切れる期間は、確かめられた資料にありませんでした。

尿のこと

分娩に伴う陰部神経の損傷で、尿意を感じにくくなることがあります。産後の尿閉(尿が出にくい状態)は、通常1〜14日以内に消えます。強い排尿痛、頻尿、膀胱が空にならない感じがあるときは受診してください。尿もれの種類と相談先は骨盤底筋のしくみの「尿もれと臓器の下がり」で説明しています。

性行為の再開について

MSDマニュアル家庭版は、少なくとも分娩後6週間、または裂傷や会陰切開が完全に治るまで待つよう勧めています。帝王切開の場合は傷が治るまでです。専門版は数字を示さず、傷が治り、本人が望み、楽であれば再開してよいとしています。NHSの該当ページには、時期の数字の記載がありません。日本の学会の目安は、確かめられませんでした。

  • 痛いときはやめて受診する
  • 授乳中は腟が乾くことがある。重い痛みが続くときは医療者に相談する。乾きのしくみは腟が潤うしくみへ
  • 妊娠の可能性は、分娩後2週間で再び出てくる場合がある。避妊は再開前から考える

受診のサイン

MSDマニュアル家庭版は、次のようなときは医療機関に連絡するよう挙げています。

  • 生理用ナプキンが1時間ごとの交換で2時間以上続く出血
  • ゴルフボールより大きな血のかたまり
  • 悪臭
  • 出産から1週間以内の38度以上の発熱
  • 帝王切開の傷の痛み・赤み・腫れ・浸出液
  • 脚の腫れや痛み、突然の胸の痛み、息切れ

NHSは、困りごとはいつでもかかりつけ医や助産師に相談でき、6〜8週間の産後健診は話す機会になると書いています。

よくある質問

産後の骨盤底筋体操はいつから始められますか?

経腟分娩のあと、肛門括約筋の損傷がなければ、通常は数日以内に始められるとMSDマニュアルは書いています。帝王切開の場合は傷が治ってからです。

産後の性行為はいつから再開できますか?

MSD家庭版は少なくとも6週間、または傷が治るまでとしています。専門版は傷が治り、本人が望み、楽であればとしています。痛いときは止めて受診してください。

出典

この解説は、下に挙げた公的機関・学会・医学情報サイトの記述を読み、書かれている範囲で編集部がまとめたものです。診断や治療の代わりにはなりません。気になる症状があるときは、医療機関で相談してください。